コメディー 旅客機爆破テロを阻止しろ!
2006年 08月 29日
今日の映画は旅客機を爆破しようとするテロリストとそれを阻止しようとする、英米の政府機関のお話です。
テロリストがイギリスからアメリカに向かう旅客機を自爆テロで爆破しようとします。
警備をくぐり抜けて旅客機に乗り込むために、ペットボトルに溶液を詰め込んで、機内で2種類の溶液を混ぜ合わせ過酸化アセトン(TATP)を作成し、それを電子機器をショートさせて火花を散らせて爆発させようとします。
怖いですねえ。それをイギリスの情報部が少ない手がかりを元にテロリスト達を追い詰めて、とうとう最後にはテロリストを捕まえます。手と汗を握るスリルとサスペンスの物語です。
ここまでが前半です。後半は一転してコメディーになります。
TATPはバス爆破テロなどに使われている手軽な爆弾ですが、TNT火薬の3割ほどの威力しかありません。
バス爆破テロで、犯人は5,6kgのTATP爆破させました。死傷者は出ましたがバス自体はガラスが割れる程度の被害状況でした。
ペットボトル程度の量では、果たして旅客機を落とすほどの威力があるかどうか?
しかも、原料をただ混ぜ合わせるだけでは沈殿に時間がかかり、製造が完了する前に目的地に着いてしまいます。電熱器で熱すれば反応が早くなりますが、不審がられてばれてしまうでしょう。
と言うわけでテロの実現性は恐ろしく低かった訳です。自爆する覚悟の割には間抜けなテロリスト達です。
前半はスリラー、後半はコメディーと2度美味しい、2006年制作の、英米合作の怪作です。
それでは、みなさん、また、お会いしましょう、さいなら、さいなら、さいなら。
TATPの特性については日経産業新聞(2006/8/28付9面)「英旅客機爆破テロ計画」を参考にしました。